公開日: |更新日:
妊娠中の身体は、非常にデリケートです。身体や心の変化に戸惑うこともあるかもしれません。ここでは妊娠中に気を付けたいことを紹介していきます。
妊娠中は免疫も低下してしまい、風邪や感染症にかかりやすくなります。風邪や感染症にかかってしまえば、胎児に影響がでる薬剤は使用できないため、ツライ症状が長引いてしまうでしょう。
上記のポイントを押さえて過ごすようにしてください。またインフルエンザの時期になれば予防接種も受けておいた方がいいでしょう。インフルエンザの予防接種は妊娠中でも接種できますが、一度主治医に相談したほうが良いかもしれません。
また、内服薬の服用には注意してください。特に妊娠初期に歯、胎児に影響を及ぼす薬も多くあり、市販薬を自身で判断して服用するのはやめてください。もし妊娠前から服用しているものがあれば、主治医に伝えておきましょう。胎児への影響がないかなど、しっかりと見極めてから、継続できるか判断してくれます。
とくに妊娠初期は、まだ安定していない時期です。そんな時期に激しい運動をすれば、体への負担が大きくなってしまいます。体調をみながら、軽めの運動に押さえるようにしてください。また運動だけでなく、旅行や引っ越しなども妊娠初期は避けていた方が無難です。何かあれば主治医の判断を仰ぎましょう。
重たいものを持つ、お腹を圧迫する、体を冷やすなどの行為は避けた方がいいでしょう。とくに妊娠初期はボーとしていることも多く、いつの間にかウトウトしていることも。自動車や自転車の運転も注意が必要です。
煙草に含まれるニコチンは、血管を収縮させる働きあり、胎児まで酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。またニコチンは胎児にも影響を与え、流産や早産のリスクを高める可能性があるので注意してください。また自身は吸っていなくても、家族に喫煙者がいるのなら禁煙を勧めましょう。受動喫煙でも赤ちゃんに何らかの影響を及ぼしかねないので、できる限り喫煙者には近づかないことが大切です。
参照元:日本産婦人科医会(https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm)
妊娠中にアルコールを飲むと、胎児にも同じアルコールの濃度が届けられます。過度に飲酒すれば、低体重・低身長・学習障害などの疾患を引き起こす可能性があるので注意しましょう。妊娠に気が付いた段階で、できる限り禁酒することが大切です。
妊娠中はホルモンバランスが大きく崩れる時期でもあります。ホルモンバランスの崩れはストレスを増加させ、ストレスの増加は自律神経の乱れにつながるのです。
自律神経の乱れは体にさまざま影響をもたらします。その一つが体温の低下です。自律神経は他院を調節する役割を持っているので、これが乱れると体温調節がうまくできなくなってしまいます。したがって、妊娠初期には体を冷やさないようにすることが大切です。
体が冷えると血流の悪化によって倦怠感が強くなるほか、子宮の血管の収縮によってお腹の張りを誘発しやすくなるという問題も起こります。さらに、体の冷えは妊娠後期になると大きく成長した赤ちゃんによって血管が圧迫されることでますますひどくなるので、妊娠初期のうちから体を温める習慣をつけておきましょう。
具体的な方法としては、温かい湯船に浸かる、首・手首・足首の3つの首を温める、温かい食事を摂るなどがあります。
妊娠中には摂取を控えるべき成分があります。カフェインもそのひとつです。厚生労働省が紹介している英国食品基準庁(FSA)の調査結果によれば、妊娠中にカフェインを摂取しすぎることで低体重出産のリスク向上、将来の健康リスクの向上といった問題が起こるとされています。
具体的な数値を挙げると、1日あたりのカフェイン摂取量は200mg以下に制限することが望ましいでしょう。この数値は、コーヒーならマグカップ2杯程度となります。
カフェインが含まれている代表的なものはコーヒーですが、カフェインはそれ以外にも紅茶やお茶、エナジードリンクなどにも含まれているので注意しましょう。妊娠前にこれらの飲み物を常飲していた場合は控えるようにしてください。また、コーヒーとエナジードリンクは特にカフェイン含有量が多いので気をつけましょう。
妊娠中期には、感染症にも注意が必要です。妊娠中には免疫力が低下するので、妊娠前よりも風邪や感染症にかかりやすくなります。妊娠中に感染症にかかると、お母さんの負担はもちろんのこと、お腹の赤ちゃんにも悪影響があるので気をつけましょう。
また、感染症による直接的な症状のほかに、感染症の薬を飲むことによる胎児への悪影響も大きなリスクと言えます。妊娠中の胎児や母体に影響を及ぼす薬品や成分は多々あるので、妊娠中に独断で服薬するのはとても危険です。そのため、薬を飲むほど症状が重くなった場合は必ず医師の判断を仰ぎましょう。
また、妊娠前から継続的に飲んでいる薬がある場合にも、妊娠中の服薬について必ず医師に相談してください。
具体的な対策としては、マスク着用、手洗いうがいといった基本的な予防のほか、インフルエンザの予防接種があります。インフルエンザの予防接種は妊娠中でも受けられるので受けておきましょう。
自分に合った適正な体重コントロールも、妊娠中期においては大切です。体重増加の目安は、標準体重なら10~13kg、やせ気味なら12~15kgと言われています。体重の増えすぎ、減り過ぎはともに母子に悪影響をもたらすので、過食や過度なダイエットは控え、適度な運動と適度な食事をましょう。
妊娠中は、血液の循環量が増える反面赤血球の増産が追いつかなくなるため、貧血になりやすくなります。貧血といっても、重症化すると出産時に輸血が必要になることもあるので油断はできません。
貧血を防ぐためには鉄分の摂取が必須です。あさり・納豆・小松菜をメインにした食事に加えて、ビタミンCやタンパク質を多く含んだ食材を多くすると鉄分の吸収を助けてくれます。
妊娠線とは、皮下組織にある割れ目のような線で、妊娠すると目立ってきます。これは、妊娠によってお腹が大きくなったり体重が増えたりすることによって皮膚が断裂してできてくるものです。
妊娠線ができるのを予防するコツとしては、急激な体重増加に気をつけること、特に妊娠線のできやすいバストやおなか、おしりなどは保湿クリームでやさしくマッサージすることなどが挙げられます。
出産を控えた妊娠後期には、体への負担をできる限り避けることが必要です。特に、布団の上げ下ろしなどの重い荷物を持つ行動は、できる限りパートナーにやってもらいましょう。また、長時間の運転や立ちっぱなしも避けるべきです。ほかにも、店頭による事故を避けるために、高いところでの作業も止めておきましょう。
体への負担を抑えるためには、睡眠時の体勢にも気をつける必要があります。寝るときの姿勢は、お腹を圧迫しないようにするのが基本。ただし、仰向けで寝るとかえってお腹が減りやすくなったり息苦しくなることもあるので気をつけましょう。寝るときの姿勢が定まらないときには、抱き枕などを使うのも有効です。
妊娠37週0日から妊娠41週6日までの出産を「正期産」と言いますが、それに対して正期産よりも早い時点での出産が「早産」と定義づけられています。そして、妊娠22週以降37週未満に陣痛につながるような切迫したお腹の痛みや張り、出血が見られ、早産のリスクがある状態を「切迫早産」と呼ぶのです。
切迫早産・早産の主な原因は、細菌性腟症からの絨毛膜羊膜炎。この病気にかかると、腟の中にいる乳酸菌がなくなり、細菌が増えてしまいます。細菌性腟症そのものは赤ちゃんに影響する病気ではありませんが、子宮の中にまで感染が広がると早産につながるリスクがあります。
参照元:日本産科婦人科学会 早産・切迫早産(https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=5)
妊娠中は心も体もデリケートになっており、感情の起伏も激しくなることもあるでしょう。とくに妊娠初期は不安定な時期で、つわりに苦しんでいる方も多くいます。あまりにも気を付けることを意識し過ぎてしまい、反対にストレスを抱えたら意味はありません。妊娠中に一番大切なことは、心を穏やかに過ごすこと。自分の好きな音楽を聴いたり、友人とおしゃべりしたり、ゆっくりできる時間をつくるようにしましょう。
もしお腹がはるなど体調に変化があれば、勝手に自己判断せずに必ず主治医に相談してくださいね。主治医の意見を聞きながら、妊娠生活を楽しんでくださいね。
横浜市の先輩ママに聞いた!
分娩・産院の満足ポイント