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赤ちゃんにあげるミルク量はどれくらいが適切か、子育ての中で迷いがちなポイントかもしれません。母乳との兼ね合いも気になるところでしょう。ここでは、月齢別ミルク量や母乳との加減、ミルクが足りているかのチェックポイントをお伝えします。
市販のミルクはメーカーによって標準使用量が異なります。ミルク缶に表記された目安量を大幅に超えないように注意しましょう。総量が大幅に超えなければ、赤ちゃんが欲しがる分だけ与えて問題ありません。ただし、飲み過ぎると戻すことがあるので注意してください。
ミルクの目安量は、月齢別で異なります。あくまでも目安なので、細かいことは気にしないようにしましょう。また、医療機関と相談しながらあげることも大切です。ここでは、ミルクの目安量を月齢別に紹介します。
生後1週間頃まで、毎日ミルクの量は変わります。医療機関と相談しながら与えましょう。一般的には、1日目は10ml、2日目は20ml、3日目30ml、4日目40ml、5日目50ml、6日目60ml、7日目70mlが目安と言われています。毎日10mlずつの増量です。授乳は3~4時間間隔。授乳回数は1日に約8回が目安となります。
生後1~2週間頃は、1回につき80mlが目安。3~4時間間隔で1日7~8回程度です。ミルク缶に記載された目安量を参考にあげましょう。また、多少の増減は気にしないでください。飲ませすぎると吐くのでその点だけ注意が必要です。
生後3~4週間くらい経つと、ミルクを飲む量が増え、体重も増えます。この頃には、体重に合わせてミルクの量を考えましょう。ミルク缶に記載されている標準使用量が目安です。
1回100ml~120mlを1日6回~8回くらいの授乳となります。授乳の間隔は生後4週間くらいまでは、3~4時間間隔です。
生後1~2ヶ月は、1日の合計700~1000mlが目安。1回140~160mlで1日5~7回に分けて与えましょう。授乳間隔は、4~5時間くらいです。
3~4ヶ月は、1日の合計1000~1200mlを目安に、1回160~200mlを1日5~6回で与えます。4~5時間間隔です。
5~6ヶ月は、離乳食がスタートする時期です。この頃の離乳食は1日1回。離乳食の進み具合にあわせてミルク量は調整してください。
1日の合計1000~1400mlを目安に、1回200~220mlを1日4回くらいです。5~6時間間隔が目安。
離乳食後は、140~220ml程度で調整しましょう。あくまで目安なので、赤ちゃんの状況に合わせて判断してください。
7~8ヶ月は、離乳食が1日2回になる時期です。ミルクは、離乳食の進み具合に合わせて調整しましょう。
1日の合計900~1200mlを目安に、1回200~220mlを1日に3~4回くらいです。間隔は、6~7時間。
離乳食後は、140~160mlくらいを目安にしてください。
離乳食が1日3回になる時期です。離乳食後に欲ミルクを欲しがらなければ、与えなくてかまいません。ミルクを与えるなら、1日の合計400~1000mlを目安として、1回200~220mlを1日2~3回くらい。離乳食後は、80~120mlくらいで調整しましょう。
母乳の場合は、量を確認しながら与えるわけにはいきません。基本的には、母乳なら赤ちゃんが欲しい分だけ与えて良いとされています。体重が適切に増えていて、母乳を吐き出す場合は、量が多いかもしれません。赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう。
母乳を中心としながら、不足分をミルクで補うこともあります。この場合は、30~40mlをミルク量の目安にしてください。先に母乳をあげて、足りない時にミルクをあげるようにしましょう。全く母乳をあげないと、母乳の出が悪くなってしまいます。
母乳とミルクを混合するケースとして、母乳とミルクが半々、母乳が中心でミルクは補助、ミルクの方が多いといったことがあります。共通するルールは、母乳が先です。産後すぐは、母乳の出が悪いもの。赤ちゃんが何度も飲んでいるうちに出も良くなっていきます。先に母乳を飲んでもらい、不足分だけミルクで補うことで、母乳量が徐々に増えていくでしょう。
ミルクを飲ませすぎないよう注意が必要です。母乳をどれくらい飲んだか分かりにくいかもしれません。ミルク量を迷うときは、母乳を飲んだ後に体重を量って、飲んだ量を確認する方法もあります。
生後4日を過ぎても体重が増えない場合は、ミルクが足りていない可能性があります。どのくらいの量飲めているか分からない場合は、体重をチェックしてください。1日に平均20kg未満の増え方だと栄養が不足しているかもしれません。
ミルクや母乳を与えた後、すぐに泣いてしまうような場合は、量が足りていない可能性があります。量が足りていないだけなら、少しミルクを足してあげると機嫌が良くなるでしょう。泣き止まない場合は、他にオムツなどが原因かもしれません。何を訴えているのか、少し探ってあげましょう。
赤ちゃんが眠って起きないのは、お腹がいっぱいで満足しているのではなく、逆に栄養が不足して元気がない可能性もあります。大人しく眠りつづけているなど、元気がないように感じる場合は、ミルク不足かもしれません。他の病気の可能性もあるので、ミルク量を増やしても変わらないようなら、医師に相談してください。
1日に薄い色の尿が6回以上出ているか確認しましょう。おしっこの量が少ないのは、ミルク不足の可能性があります。また、便秘ぎみの場合もミルク不足かもしれません。一般的にミルクより母乳の方が便の回数は多くなります。定期的に排便しているならあまり気にする必要はありませんが、4日以上出なかったりするなら便秘の可能性があります。ミルク量を増やしても便秘が改善しない場合は医師に相談しましょう。
体重が増加しているのは、ミルクや母乳できちんと栄養を摂取できている証拠です。母子健康手帳に「乳児身体発育曲線」が記載されていますので、参考にしてください。この曲線から大きく外れていなければミルクは足りていると考えて良いでしょう。
赤ちゃんがご機嫌で過ごしているのもミルクが十分に足りているサインです。栄養が足りないと元気がなくなったり不機嫌になったりします。活発な様子なら問題ないでしょう。ミルクを飲むときに、ゴクゴクと音を立てて飲んでいるのも元気な証拠です。
赤ちゃんの肌に弾力があって、顔色が良いのも、栄養が十分な証拠です。ミルクの量には問題ないでしょう。栄養状況は、肌や血色に現れます。赤ちゃんの顔色を観察して、変化のサインを見逃さないようにしてください。
ミルクをしっかり飲めているようでも、実は上手に飲めていない場合、尿や便にも現れます。栄養をしっかり摂れていれば、安定したペースで排便があり、便もしっかりしています。また、おしっこの回数も6~8回あればミルクの量は足りていると考えて良いでしょう。
赤ちゃん、特に新生児は、毎日体重が増加します。目安として1日25~30kgくらいです。体重の増加ペースは個人差がありますが、1日50kg以上増加するなら、ミルクを飲み過ぎている可能性があります。急激に体重が増加すると、栄養は十分ですが、逆に肥満のリスクが生じるかもしれません。注意してください。
口の端からミルクをこぼしたり、吐き戻したりするようなら、ミルクの量が多すぎる可能性があります。赤ちゃんは、最初はミルクを上手に飲めないことも。哺乳瓶のサイズが合わない場合もこぼしてしまいます。しかし、普段は上手に飲めているのにこぼす場合は、ミルクを飲みすぎているかもしれません。
ミルクを飲んだ後、お腹がパンパンに膨れてしまっていたら、飲みすぎのサインです。おへそが突き出して、デベソになってしまうことも。新生児は、満腹中枢が未発達で、自分ではお腹いっぱいに気づかないことがよくあります。お腹がパンパンになっていたら、次の授乳時間などを調整すると良いでしょう。
飲みすぎて消化できないと、下痢や便秘になってしまいます。お腹を触るとゴロゴロしたり、パンパンに張ってしまったりするので、そうしたサインがあれば注意してください。不足するよりは…との思いからミルクを与えすぎてしまうと、赤ちゃんの消化器官に負担がかかってしまいます。飲んでいるときに苦しそうにしていないかも注意してあげましょう。
ミルクの量は、赤ちゃんの成長に合わせて適切な量が変わります。しかし、基準となる量はあくまで目安。赤ちゃんの様子をよく観察して、体重の増加や顔色、排尿・排便などに注意しながら量を調整していきましょう。
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