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出産予定日から2週間以上経っても赤ちゃんが生まれてこないことを過期産といいます。予定日を過ぎているのに赤ちゃんが生まれないのはマズいのでしょうか。ここでは予定日が過ぎても赤ちゃんが生まれてこないケースについておはなしします。
出産予定日を過ぎているのに陣痛らしい痛みがないと心配になってしまうもの。しかし、出産予定日を少し過ぎることはよくあることです。出産する時期は37週から42週のあいだであれば、一般的な出産時期とされる正期産になります。
37週未満のときは22~37週未満で早産、22週未満で超早産と呼ばれます。42週を超過して出産するときは過期産と言います。
早産や超早産は、子宮の中の赤ちゃんの成長が十分でないため、産後の赤ちゃんのケアが重要になってきます。反対に遅く生まれてくる場合にも赤ちゃんや母体にリスクはあるのでしょうか。
42週を超えても赤ちゃんが子宮にいる状態を過期妊娠といいます。そこから出産すると過期産と呼ばれます。
正期産の時期を超えてしまうことには、どういった困りごとがあるのでしょうか。
国立成育医療研究センター:予定日を過ぎているのに生まれない![PDF]
37~41週と6日以内に生まれるのがよいとされるのは、42週以降の子宮の状態に変化があるためです。
子宮の中は、40週を過ぎると胎盤や羊水に変化が起こります。詳しい原因については解明されていませんが、羊水や胎盤の変化は、中にいる赤ちゃんにも影響を与えます。
まずは羊水が減っていくことについて。羊水はそもそも、お腹にいる赤ちゃんを衝撃から守る役割、赤ちゃんが中で動くことで骨や筋肉を発達させる役割などがあります。さらに、赤ちゃんが母体から吸収した栄養を体内に取り込み、尿として排出する場所でもあります。尿を排出したあとの羊水は子宮内で循環しているため汚いものではありません。赤ちゃんが40週を超えたあたりで尿の量が減少すると言われており、それに伴い循環させる必要がなくなった羊水が減少してしまうとされています。これを羊水過少といいます。
次に、40週を超えると胎盤からの酸素や栄養が送られにくくなり、赤ちゃんが過ごしにくい環境になるとされています。
ただ、栄養や酸素が少なくなってきていても赤ちゃんの成長は続くため、4,000g以上の巨大児となり、生まれるときに産道を傷つけてしまうなどで母体にダメージを与えてしまう(弛緩出血が起こることも)、赤ちゃんが産道をスムーズに出られずに肩や鎖骨を骨折することもあります(肩甲難産)。
子宮にいる赤ちゃんは老廃物を出すときに尿をします。大便は通常しないのですが、過期妊娠だと羊水の中で大便をしてしまうことがあります。大便の混じった羊水は、おしっこをした羊水とは違い、母体で循環がされにくく赤ちゃんが濁った羊水を取り込んでしまうことがあります。それによっておこる呼吸器障害などを胎便吸引症候群といいます。
予定日を過ぎ、42週を過ぎても生まれてこない場合は、弛緩出血や肩甲難産などさまざまな問題が起こる可能性が高くなります。過期産を避けるためできることはあるのでしょうか。
病院では過期産のリスクを避けるために以下のことをします。
まずは出産予定日が間違っていなかったかを再確認します。予定日は赤ちゃんの8週ごろの大きさから算出するのですが、エコー写真を見直すなどで予定日にずれがなかったかをチェックします。
予定日に間違いがなかった場合は、病院によって分娩待機をするときと分娩誘発をして陣痛を促すときがあります。
子宮口が柔らかくなり出産にできる状態であれば陣痛促進剤を使って陣痛がくるようにします。子宮口が固い場合は様子を見るなど医師によって判断が異なります。
いずれにしても、母子ともにリスクの少ない分娩になるように手段を択ばなければならないため、医師との相談が大切です。
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