妊娠中に転んだらどうすればよいの？

少しずつ大きくなるお腹を抱え、赤ちゃんのために転ばないか気を付けながら日常生活を送っているかと思います。もし転んだ場合、どのような影響があるか心配ですよね。

お母さんが驚いたように、赤ちゃんも羊水などのクッションに守られてはいますが、念のため、落ち着いてご自身の体調と赤ちゃんの様子を確認することが大切です。無理せず、気になることがあれば、かかりつけの病院に相談しましょう。

妊婦は転びやすい？

妊娠すると、子宮が大きくなるにつれて体の重心が前に移動するため、バランスを崩しやすくなります。また、お腹で足元が見えにくくなったり、妊娠によるホルモンの影響で関節が緩んで不安定になったりすることも転倒の原因となります。

妊娠中は疲れやふらつきも出やすく、今まで気にならなかった段差でも転びやすくなっていることを理解しておきましょう。

転んだ場合はどうしたらよい？

転んでしまった後は、まずはご自身の怪我の有無と、おなかの張りや痛み、出血の有無を確認しましょう。慌てず、まずは安静にすることが大切です。

確認すること

かかりつけ病院に連絡

転倒の程度に関わらず、必ずかかりつけの病院に連絡し、状況を伝えましょう。すぐに症状が出なくても、念のため診察が必要な場合もあります。

夜間や休日で連絡が取りにくい場合は、近隣の救急外来の電話番号をあらかじめ控えておくと安心です。連絡時には、転倒した状況やお腹への衝撃の有無などを詳しく伝えてください。

胎動をチェック

胎動をすでに感じている妊婦さんは、転倒後に胎動がいつも通りか確認をします。横になるなどリラックスした状態で、胎動を10回感じるまでの時間を計る「胎動カウント」を行うことが推奨されています。

普段と比べて胎動が急に弱くなった、または極端に少なくなった、いつもと違う様子で違和感がある場合は、すぐに病院 へ連絡してください。

出血や下腹部に痛みがないか

転倒後、不正出血がないか、また下腹部に痛みが続くことがないかを確認してください。出血や、お腹がずっと硬く痛む、強く張り続けるといった症状は、常位胎盤早期剥離などの重大なトラブルのサインである可能性があります。これらの症状が見られた場合は、様子を見ずに直ちに受診が必要です。

腹部に違和感がないか

腹部に違和感がないか、特にお腹が硬いままの状態が続く、または強い張りが治まらないといった症状がないかを確認します。また、破水や羊水が漏れているような感覚がないかも注意が必要です。

子宮や赤ちゃんに影響が出ている可能性があるため、自己判断せず、すぐに医療機関に相談してください。

転ばないようにするために気を付けること

日常の注意点

転倒予防のために、まず歩くスピードを緩め、時間に余裕をもって行動しましょう。歩きながらの携帯電話操作は避け、転倒時にすぐお腹をかばえるように両手は空けておくことが大切です。

滑りやすいお風呂場や階段、冬場の凍結しやすい路面など、危険な場所には特に注意を払ってください。

靴の見直し

履物は、安定感のあるフラットシューズや低めのヒールを選びましょう。グリップ力のあるラバーソールの靴は特に安心です。妊娠中期以降は、かがまずに履き脱ぎができるスリッポンタイプがおすすめです。

また、家の中でも滑りやすいスリッパは避け、滑り止めの付いた履物を使用するなど、足元環境を見直してください。

まとめ

妊娠中の転倒は、体の変化によって誰にでも起こりうる出来事です。日頃から転倒予防策を取り入れることは非常に大切ですが、もし転んでしまった場合は、落ち着いて自身の状態と赤ちゃんの様子を確認しましょう。

不安なことや気になる症状があれば、些細なことでも必ずかかりつけの病院に相談してください。専門家のサポートを受けながら、妊娠期間を過ごしましょう。