公開日: |更新日:
妊娠についての考えは人それぞれですが、計画を立てて妊娠をしたい・早く赤ちゃんが欲しいなど理由がある場合は早い段階でパートナーと一緒にクリニックに足を運んで相談しましょう。相談することで、正しい妊活が出来ます。
妊活とは妊娠をするための活動のことをいいます。妊活を始めるにあたり、正しい妊娠の知識・妊娠できる体の状態・妊娠によるライフスタイルの変化などを知っておくことが必要です。
まずは基礎体温をつけるところからはじめてみましょう。基礎体温を付けることで体温の変化やそれにともなう体調の変化を観察できます。また観察を続けることで、おおまかな排卵日が分かるようになる人もいます。
女性の身体は低温期・高温期の2相に分かれています。低温期は月経がはじまり排卵が起こるまでの期間のことです。高温期は文字通り体温が高くなる期間で排卵後で黄体ホルモン分泌されることから起こります。妊娠を臨む場合は高温期に入る少し前(低温期の終盤にあたる期間)から生理が始まる前までに性行為をすることが理想的だといえます。排卵日は基礎体温をつけることである程度把握できるようになります。しかし、高温期と低温期をはっきりと区別することは難しいと言う点は覚えておきましょう。
性交渉の数も妊娠に関わってきます。週に2~3回の性行為があるカップルや夫婦の場合、女性の体内に精子が常にある状態のため妊娠の確率が高まります。反対に性行為が少ないカップルの場合、それだけ妊娠の可能性が低くなってしまうのです。もし年齢が若くて性欲がある場合は、性行為の回数を増やしてみるのも1つの方法です。
妊活の基本は、健康的な身体づくりです。スムーズに妊娠するには着床率のアップがカギを握ります。そのためには健康的な身体が欠かせません。必要な栄養素の摂取以外に、日常的に負担のかからない生活への心がけが必要です。妊娠前から取り組みたい、妊活の基本の身体づくりを解説します。
葉酸を積極的に摂取しましょう。葉酸はビタミンB群のひとつで、代謝に関係します。DNAやRNA、タンパク質の生合成の促進が期待できる栄養素です。胎児の細胞分裂と成熟に関連するため、妊活では有効といわれています。
葉酸はおなかの赤ちゃんの発過程で注意したい、神経管閉鎖障害という脳や脊髄の発達異常のリスクを低くするという話もあるのです。赤ちゃんの先天異常対策は約妊娠7週前までに発生するといわれ、妊活中から摂取したほうがいいでしょう。葉酸が多く含まれているのは、ほうれん草やアスパラガスやレバーなどです。
食事は栄養バランスにこだわりましょう。1日3食、好き嫌いなく多彩な食材を食べるのがポイントです。知り合いや家族が「あれを食べれば子どもができやすい」という話をしてくるかもしれません。食べれば確実に子どもができるような食べ物はないのです。栄養バランスにこだわったほうが、妊娠のための健康的な身体づくりができます。
定期的な運動も大切です。普段、運動をしていないと最初はきついかもしれません。ただ、筋肉がつくと血流もよくなります。ストレス発散や気分をリフレッシュさせるのにも有効です。ウォーキングやヨガやストレッチなど、軽い運動なら続けられるでしょう。
不規則な生活は禁物です。早寝早起きを妊活の基本にしてください。休日でも毎朝、同じ時間に起きることを目指しましょう。身体や脳がしっかり休まります。不規則な生活は、健康体を作る上でも邪魔になるため注意が必要です。
たばこはよくありません。禁煙を心がけてください。妊娠に限らず、健康にもよくないです。たばこの数が多いと、妊娠しづらくなります。妊娠しても、早産、流産、生育不良のリスクが高まるのです。副流煙にも悪影響があると、考えられています。男性も受精能力が低下するといわれているのも注意が必要です。
風疹の抗体がない女性は注意が必要です。妊娠初期に風疹に感染すると、お腹の赤ちゃんに多大な悪影響をおよぼすからです。たとえば、難聴や心臓病のリスクが高くなるといわれています。
男性も関係する話です。男性が風疹にかかり、女性に風疹の抗体がないなら感染するリスクが高いです。男性も風疹の抗体の有無を調べたほうがいいでしょう。免疫がないならワクチン接種をしてください。ただし、風疹のワクチン接種後、2ヶ月間は避妊が必要です。
ムリなダイエットはよくありません。健康的な体重をキープするほうが妊娠しやすくなります。ムリなダイエットで体に負担をかけると、ホルモン分泌に悪影響を与えます。排卵が発生しないことにつながるため、妊娠しづらくなるのです。
子宮がんや乳がんの検査はしておきましょう。子宮頸がんは20歳以上で、2年に1回受けられます。自治体が費用を負担してくれるため受けやすいです。妊娠初期でも検査します。妊婦を対象として過去1年以内に検査で陰性結果が出ていれば不要です。20代でも発症するため注意してください。妊娠中の発生率は低いですが、発症すれば妊娠を中止するリスクもあります。妊娠前に検査をしたほうがいいでしょう。
乳がんも乳房にしこりがあるようなら検査が必要です。妊娠中は乳腺の発達で発見しにくくなります。乳がんがあると、妊娠中に高まるホルモン分泌の影響で進行が早まる危険性もあるため注意が必要です。
性病も妊娠の大敵です。妊活をはじめる前に検査してください。代表的な性病は、HIVや梅毒や淋病やクラミジア、トリコモナスで、感染すると母子感染の危険性があります。男女ともに検査が必要です。
クラミジアにかかった状態で妊娠すると、早産や流産のリスクもあります。「自分たちは大丈夫」と油断は禁物です。性病の検査をして、問題がなければ、安心して妊活ができます。ストレスや不安もない安心感から、妊活にいい影響を与えるでしょう。
妊活を前提に考えるなら、女性の場合、湯船につかったほうがいいです。冷えがよくないですし、10分から15分湯船で温まればリラックスできます。体温を上げることで、妊娠しやすい状態になるため、メリットは大きいです。
男性の場合、事情が違います。精子が作りやすくなるのは、睾丸が約33度の状態です。睾丸の温度が上がると、精子にも勢いがなくなります。女性の体温がいい状態でも、入浴直後に性行為をしても妊娠しにくいです。男性は入浴して身体が温まったら、睾丸を冷やす対策をしましょう。
妊活中には日常的にしてきたことも禁止したほうがいい行為もあります。「薬」「アルコール」「カフェイン」などです。「気をつけて」といわれても習慣化していれば止められないものばかりでしょう。なぜ気をつけたほうがいいか理由を解説します。
薬は身体に大きな影響を与えます。当然、妊娠にも影響を与えかねません。妊活中に、薬を飲むのは控えたほうが無難です。妊活中、微熱が続くことがあるかもしれません。実は妊娠初期の症状は風邪に似ています。薬で妊娠が失敗しないよう、体調変化に敏感になって早めに医師に相談してください。
お酒も控えたほうがいいです。アルコール度数が軽くても関係ありません。妊娠していた場合、アルコールがお腹の赤ちゃんに悪影響を与えるからです。奇形、先天性異常、流産や死産など悲しい結果になる可能性があります。妊活前後や出産後の授乳時期も、アルコール類は控えましょう。
アルコール同様カフェインにも注意が必要です。妊活前、妊娠中も母親に悪影響を与えます。厚生労働省でも、妊娠中のカフェインに対し、流産、赤ちゃんの低体重、健康リスクがあると注意喚起をしているほどです。
理由は過剰摂取による自律神経の乱れがあげられます。少量なら血流を保つのにいい影響を与えますが、過剰摂だと、自律神経の乱れ、血行不良、眠れない、ホルモンバランスの乱れなどデメリットがあるのです。
コーヒーや紅茶を飲みたいなら、カフェインレスを選んでください。また、ハーブティにも注意が必要です。カフェインが入っていなくても、妊娠中に飲んではいけない成分が含まれているものがあります。
妊活の基本を知った次は、不妊についても知っておきましょう。
女性の場合は排卵障害・子宮内膜症・黄体機能不全などが不妊の原因としてあげられます。男性の場合は造精機能(精子をつくる機能)、精液・精子の問題、遺伝子上の問題などが原因としてあげられます。ここで注意したいのが、不妊は男女どちらか一方の問題ではないことです。
ただ、現状の日本では不妊治療のために、最初からカップルでクリニックを訪ねるケースが少ないようです。不妊治療には、女性だけでなく男性も検査するという段階になってから、はじめて男性がクリニックを訪ねるというカップルも多いといいます。
もしも妊娠を望んでいるのになかなか授からない場合は、早い段階で一緒にクリニックに足を運んで相談することが大切です。相談することで正しい妊活を始められるだけでなく、必要に応じた治療を開始することができます。
横浜市の先輩ママに聞いた!
分娩・産院の満足ポイント