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胎児が成長すると、お腹の中で動いているのを感じるでしょう。胎動があることで胎児の存在を強く感じ、愛情が深まる方も多いはずです。このページでは胎動を感じるタイミングや注意点などを分かりやすく解説します。
母体の体内で胎児が動くことを胎動と呼び、母体が胎動を実感する前から胎動は始まっています。おおよそ妊娠8週ごろに胎児は小さな手や足を動かし始めると言われていますが、羊水のなかで浮いている状態なので母体が胎動を感じることはありません。
母体が胎動を感じるのは早い方なら妊娠4か月ごろ、遅い方でも妊娠7か月ごろまでには胎動を感じるでしょう。多くの母体が胎動を感じた時期が妊娠5か月~6か月ごろと言われており、胎児が手足の曲げ伸ばしがしっかりとできるようになるタイミングです。子宮の壁まで手足が届くようになった証拠とも言えます。
胎動をなかなか感じることができなければ、ちゃんと赤ちゃんが成長しているのか不安になってしまうでしょう。もちろん胎動によって赤ちゃんの状態を知ることはできますが、しっかりと成長しているかどうかは超音波検査・胎児心拍監視装置などを用いた健診だけです。つまり定期的に医師の指示に従って健診を受け、赤ちゃんの成長をチェックしてもらっていれば、胎動が遅くても全く問題はありません。
また実は胎動を100%とした際、母体が分かる胎動は40%ほどです※。つまり胎児の動きを全て胎動だけで把握するのは難しいでしょう。胎動を感じるのが他の方よりも遅いからと言って心配せず、医師と一緒に赤ちゃんを温かく見守ることが大切です。
参照元:エナレディースクリニック公式サイト_胎動はいつから?どんな感じ?激しくても大丈夫なの?
胎動を感じる時期は、個人差が非常に大きいと言われています。もちろん胎児の成長による差もありますが、母体の状態による差もあるでしょう。
たとえば母体の体型がやせ型で皮下脂肪がほとんどない方であれば、胎動を感じやすくなります。また羊水が少ない胎児も子宮の壁に手足が届きやすいため、胎動を感じることができるでしょう。さらに体型だけでなく、ゆっくりと過ごしている時間が長い母体の方が、胎動を察知しやすくなります。とくに初めての胎動は本当に小さな力しかありません。そのため日中仕事などでドタバタしていれば、小さな胎動に気が付きにくいでしょう。
胎児は常に眠っているわけではなく、母体の中で起きる・眠るを繰り返しています。また胎児は母体がリラックスしているときに胎動しやすい傾向にあり、就寝前など落ち着いた時間に胎動を感じやすくなるでしょう。胎児が眠っていれば胎動は感じにくいですが、妊娠期間が長くなると起きている時間も増えていくため、胎動を感じる機会も増えやすくなります。次第に時間帯によって胎動が多いタイミングも把握できるでしょう。
胎動と言っても胎児の動き方次第で感じ方は異なってきます。たとえば「蛇が這うような感じ」「パッと気泡がはじける感じ」「ギューと押される感じ」など、妊婦によって表現は様々です。さらに妊娠の周期でも感じ方は変わってくるでしょう。
妊娠初期であれば、まだ子宮も小さく、恥骨からへその下あたりで胎動を感じる方が多いでしょう。また胎児の力もほとんどなく、腸の中で空気が動いている感覚になるケースが多いようです。
妊娠中期であれば子宮も比較的大きくなり、羊水の量も増えているため子宮内で胎児は活発に胎動しています。筋肉も発達するころなので、胎動にも力強さを感じるかもしれません。母体が仕事などで忙しくても、胎動を感じることも増えるでしょう。お腹から押されるような感覚を持つ方が多いようです。とくに皮下脂肪がほとんどない母体であれば、押された部分のお腹から胎児の手足が分かることもあるでしょう。
妊娠後期になれば、胎児も大きく成長しているため子宮の中で胎動できる十分なスペースがありません。そのためダイナミックな胎動は少なくなるでしょう。お腹が破れてしまうと感じる方も多く、胎動によって目が覚める方もいるようです。
胎動を感じることができれば、胎児とコミュニケーションを取れるでしょう。たとえば胎児がお腹をけったと思えば、トントンと叩き返事をします。何度も繰り返すことで、母体がお腹を叩けば、胎児が蹴り返す「キックゲーム」という遊びです。1日1回ほど行えば、胎児とコミュニケーションを楽しめるでしょう。
常に感じていた胎動がなくなれば、不安に思ってしまうでしょう。もちろん危険な状態もあるため1時間ほど動いていないと感じれば、すぐに病院に連絡入れてください。
胎児は基本的に30分~60分ほどの間隔で起きる・眠るを繰り返しており、1時間以上も胎動を感じないのは何らかの異常をきたしている可能性があります。1時間ほど安静にし、胎動を感じない場合はお腹を優しくなでてみましょう。刺激によって眠っていた胎児が目覚めるケースもありますが、それでも胎動を感じなければ、すぐに担当医に連絡してください。
胎動がない、小さいときに疑われる異常事態は、胎児が低酸素に陥る胎児仮死状態の可能性が考えられます。へその緒が胎児の首に巻き付く、胎盤の動きが悪くなるなどの要因で胎児に酸素が届けることができず仮死状態になってしまうのです。さらに上位胎盤剥離の可能性もあります。たとえ胎児に異変をきたしていても早い段階で早期受診ができれば、帝王切開を行い胎児の命を救うこともできるかもしれません。
胎動は妊娠中の妊婦さんだけの特別なものです。胎動を感じることで赤ちゃんの成長を実感でき、存在を強く感じられるでしょう。胎動の感じ方は個々で異なるため、温かく見守るようにしてください。せっかくなら妊娠中のコミュニケーションを楽しみましょう。もし異変があれば、早めに担当医に相談することも大切です。
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