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人によっては妊娠中に「安静」を指示されるケースがあります。安静といっても、どの程度安静にしていればよいか分からないでしょう。このページでは、安静と指示される状態や指示されたときのポイントなどを分かりやすく解説します。
そもそも何故「安静に」と指示されるのでしょうか。
それはおなかの張り・痛み・出血・子宮頸管の長さが短いなど、切迫流産や切迫早産の兆候があると判断されたケースです。安静というのは日常生活を制限するということで、同じような生活を送っていれば予定日よりも前に出産に至ってしまうというリスクが高いと医師が判断したのでしょう。つまり母体・胎児を守るためにも、医師の指示に従い安静にしておくことが大切です。
「切迫流産」と聞けば、誰もが不安になるでしょう。しかし切迫流産と診断されたからと言って、必ずしも流産するわけではありません。
上記が主な症状ですが、切迫流産でないケースでも妊娠初期には見られる症状でしょう。そのため安易に自己判断し症状を放置してしまうことも少なくありません。しかし緊急性がないと考えたとしても、少しでも症状があれば早めに主治医に伝えておくことが大切です。もし症状を伝えずに我慢していれば、手遅れになってしまうリスクも高めてしまうでしょう。
妊娠の週数や日常生活のレベル、安静の原因、状態などによって、安静が必要なレベルは変わってきます。勝手に安静のレベルを判断するのは、非常に危険です。必ず医師に安静時の過ごし方について具体的に確認しましょう。
「安静に」という指示が出たとき、自宅で安静にする方法と入院する方法の2つがあります。入院するケースは基本的に胎児が危険な状態であり、薬投与などの処置が必要となる場合がほとんどです。そのため自宅安静よりも制限が厳しくなるでしょう。
ここでは自宅安静と判断された場合の一般的な過ごし方について紹介します。ただし、状況によって過ごし方は変わってきます。必ず主治医の指示に従ってください。
仕事をしているのであれば、休職をした方がいいでしょう。「デスクワークだから大丈夫」と思っていても、身体には思っている以上に大きな負担がかかっています。「休職をすれば他の誰かに迷惑をかけてしまう…」と不安になるかもしれませんが、胎児を守れるのは母親だけ。安静の指示が出たのであれば、周囲に頼っても問題はないでしょう。職場の上司や総務・人事担当の方を交えて、安静期間中の働き方・休暇を話し合うことが大切です。どうしても休職が難しく、主治医の許可を得られたときは、リモートワークができないかを職場へ相談してみてください。在宅での仕事であれば、通勤の負担は軽減できるでしょう。
家事もハードワークです。たとえば普段は何気なくしている食事の準備であっても、数十分~1時間程度はキッチンに立ち続けて作業を行うでしょう。そのため家族に協力してもらい、総菜や冷凍食品などを上手に活用してください。また洗濯・掃除などは必要最低限のぶんだけを行い、残りは家族に任せた方が無難です。細かなところは気にせず、楽な気持ちで過ごしましょう。
お手洗いは通常通りで問題ありません。尿意や便意を我慢する必要もなく、サポートする必要もないでしょう。ただし家の間取りで居室からトイレまで遠い場合には、トイレの近い部屋に変更するなどの配慮を行ってください。また便秘気味の方の場合、いきむことでおなかの張りを強める可能性もあるので注意が必要です。できる限り自然に排出できるよう医師に相談し、便秘解消を図りましょう。
入浴は想像以上に体力が必要となります。そのため湯船に浸かるのではなく、シャワーだけで済ませた方がいいでしょう。また可能であればシャワーも2日に1度のペースが理想的なので、入浴をしない日はタオルやボディシートなどで体を拭くようにしてください。どうしても冬場に体を温めたい場合には長時間湯船に浸からずに、短時間だけで上がるように心がけましょう。短い時間にすることで体力の消耗を抑えられます。
自宅安静であれば、外出はしないようにしましょう。基本的に家の中で過ごすようにし、買い物などは家族に頼んだりネットショッピングを活用したりといった方法で行なってください。また、車の運転や自転車での外出も避けた方が無難です。外出すれば身体を安静にできず、余計な負担をかけてしまいます。無理をせず、身体を休めることだけ意識しましょう。
医師が体の状態を診て、早産や流産のリスクがあると判断をしたからこそ「安静に」という指示を出しているのです。それにも関わらず無理をして仕事などの活動をしてしまえば、母体や胎児に影響を及ぼしかねません。おなかの中の赤ちゃんを守れるのは、母親だけです。周囲に迷惑をかけると思わずに、医師の指示に従って体を休めるように心がけましょう。
ただ安静のレベルは人によっても変わってくるので、必ず日常生活の過ごし方について医師に確認してください。安静の指示が出ている間は最低限度の活動に留め、家族などに買い物や家事などは頼るようにしましょう。
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