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出産は人生の一大イベントであると同時に、心身に大きな変化をもたらすものです。新しい命を迎えた喜びの一方で、不安や孤独、疲労が積み重なり「産後うつ」に陥ってしまう方も少なくありません。
今回は、横浜市で利用できる相談窓口や支援制度、同じ悩みを持つ仲間とつながることができるサポートグループについてご紹介します。
産後うつは、出産後に現れる気分の落ち込みや不安、イライラ、睡眠障害、食欲不振などの精神的症状のことを指します。以下のようなサインが1週間以上続く場合は、専門機関に相談することをおすすめします。
誰にでも起こり得るものです。「こんなことで相談していいのかな?」と思わず、早めに支援を受けることが大切です。
横浜市では、出産後のママを支えるための複数の相談窓口が設けられています。以下に代表的なものを紹介します。
精神保健福祉士や看護師などの専門スタッフが、電話で心の悩みについて相談に応じてくれます。産後うつの疑いがある場合も、気軽に利用できます。
電話番号 | 045-662-3522 |
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受付時間 | 平日17:00~21:30/土日祝8:45~21:30 |
お住まいの区の保健師が、出産後の体調・育児の悩みについて面談や電話、訪問で対応してくれます。母子健康手帳交付時にも情報提供があります。
ショートステイ(宿泊)、デイケア(日帰り)、訪問型などが選べ、助産師や保健師が育児支援・心身のケアを行います。利用料の一部が公費で助成されるため、負担も軽減されます。
例:1泊2日 約3,000~6,000円程度(所得により異なる)
症状が強い場合は、専門の医療機関での受診も検討しましょう。横浜市立大学附属病院など、母子メンタル外来を備えた病院もあります。
また、「自立支援医療制度(精神通院医療)」を活用することで、医療費の負担を軽減できる場合があります。必要に応じて区の保健師に相談してください。
同じような悩みを抱える人たちと出会える場所も、産後の大きな支えになります。
横浜市内各地にあり、子育て中の親子が自由に交流できる場所です。保育士・育児支援者が常駐しており、気軽に相談できます。
地域の協力会員が、一時的な預かりや送迎など育児支援を行う仕組みです。月額最大24,000円の助成制度もあり、家計の負担を抑えながら利用可能です。
バランスボールエクササイズとグループ対話を組み合わせた産後ケアプログラムです。身体の回復と同時に、孤独感の軽減や仲間作りにも役立ちます。
産後うつ経験者によるオンラインの自助グループです。全国から参加可能で、顔出し不要のチャットやZoom交流会もあります。匿名で安心して話せます。
産後うつかもしれないと感じたとき、どのような流れで支援を受ければよいか、実際の手順とあわせてご紹介します。
「気分が落ち込む日が続いている」「赤ちゃんがかわいいと思えない」「理由もなく涙が出る」などの状態に気づいたら、まずはご自身の心身の状態を客観的に把握しましょう。横浜市の母子手帳や市のホームページでは簡易セルフチェック表も掲載されています。
まずは「こころの健康相談センター」や、お住まいの区の「保健福祉センター」に電話相談してみましょう。話すことで気持ちが軽くなり、必要な支援につながることもあります。
ポイント:訪問相談も可能なので、外出が困難な方でも安心です。
心身のケアが必要な場合は、「産後母子ケア事業(ショートステイ・デイケア・訪問型)」の利用を検討。より専門的なケアが必要であれば、母子メンタル外来などの医療機関へ相談しましょう。
※紹介状や診断書が必要な場合は、保健師やかかりつけ医に相談するとスムーズです。
地域の子育て支援拠点やサポートグループに参加し、日常的な悩みを共有できる仲間とつながりましょう。一時預かりや家事代行などの外部サービスも上手に活用することで、心に余裕が生まれます。
項目 | 内容 | 備考 |
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産後母子ケア事業費用助成 | 所得に応じて1回数千円〜無料に | 利用前に区役所への申請が必要 |
自立支援医療(精神通院医療) | 医療費の自己負担を原則1割に軽減 | 医師の診断と申請が必要 |
横浜子育てサポートシステム利用補助 | 月24,000円まで助成 | 所得制限あり |
補足:いずれの制度も事前申請・利用登録が必要です。利用希望の際は早めの問い合わせをおすすめします。
産後うつの予防・改善には、家族、とくにパートナーの理解と支えが不可欠です。母親本人が自分の状態に気づいていないケースも多く、周囲が気づいてあげることが大きな助けになります。
「ひとりで抱え込ませない」ことが何よりの支援になります。
産後うつは誰にでも起こりうるものであり、決して「弱さ」ではありません。大切なのは「ひとりで頑張りすぎない」こと、そして「声を上げる勇気」です。
横浜市では、産後の心と体を支える相談窓口や制度が多数用意されています。
困ったとき、疲れたとき、涙が止まらないときは、どうかためらわずに電話をかけてみてください。支援は、あなたのすぐそばにあります。
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