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乳腺は、母乳をつくる重要な組織です。しかし、産後に乳腺炎に悩まされるママは少なくありません。ここでは、乳腺炎の症状や種類、対処法や予防法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
乳腺炎になると、「おっぱい全体が腫れている」「おっぱい全体が痛い」といった症状を感じます。皮膚の赤みや熱感がでることもあり、しこりがあるように感じることも。個人差はあるものの、「おっぱいが張って痛い」と感じたときは乳腺炎の疑いがあるでしょう。
また、乳腺炎になりかけの場合は「おっぱいの張りが取れない」「硬い部分がある」「押すと痛い」などの症状が出やすいようです。放置していると悪化する恐れがあるため、適切な対処が必要です。
乳腺炎は「うっ滞性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2種類に分けられます。
うっ滞乳腺炎は、つくられた母乳に対して授乳回数が少ない・赤ちゃんが上手く吸えていないなどの原因によって引き起こされます。主な症状は「おっぱいが硬くなる」「痛み」「熱感」「発赤」「発熱」などが挙げられます。おっぱいが張って石のように硬くなり、ちょっと触るだけでも痛い…という症状を自覚する方は少なくありません。
また、化膿性乳腺炎は乳首の先から細菌が入ることで乳腺が細菌感染します。うっ滞性乳腺炎の症状に加えて「高熱」や「倦怠感」「筋肉痛」などの症状がでるほか、母乳の色が黄色くドロドロとすることもあります。インフルエンザに罹ったときのような倦怠感を感じることもあり、赤ちゃんのお世話が辛くなってしまうでしょう。
乳腺炎の症状を訴える方の多くは、うっ滞性乳腺炎なのだそうです。うっ滞性乳腺炎の対処では、「排乳する」ことがポイント。おっぱいを赤ちゃんに飲んでもらったり、搾乳をしたり、おっぱいマッサージを受けるといった対処法によって症状が軽減します。また、シャワーを浴びている時に一度すべての母乳を出し切ってしまっても良いでしょう。
乳腺炎によって本格的に痛みや全体の張りを感じる前に、違和感を覚えたときから対処することで悪化を防げます。授乳回数を増やす・赤ちゃんが飲みきれなかった分は、おっぱいを押しながら搾乳するなどの方法で対処しましょう。
また、おっぱいの張りによって赤ちゃんが飲みにくそうにしている場合は、授乳前に少し絞って乳輪を柔らかくしたり、授乳時の抱っこの向きを変えてみるのがおすすめです。
上記で紹介した対処法を行っても症状が改善しない場合は、産院や助産院に相談しましょう。
とくに高熱や強い痛みが続いていたり、インフルエンザ罹患時のような倦怠感がある場合は化膿性乳腺炎の疑いがあります。そのため、早めの受診を心がけましょう。
なお、助産院では、おっぱいマッサージや授乳指導を受けられます。また、産婦人科などのクリニックでは、必要に応じて解熱鎮痛剤や抗生剤を処方してくれます。
乳腺炎を予防する一番のポイントは、赤ちゃんにしっかりと母乳を飲んでもらうことです。忙しいなかでも、授乳中は気持ちに余裕をもってゆったりと過ごすことが大切。片手間の授乳や焦っている中での授乳は浅飲みになってしまうため気をつけましょう。
母乳は血液からつくられているため、身体が冷えて血管が収縮すると母乳がつまってしまう可能性があります。また、冷えによって乳頭が硬くなると乳頭トラブルが起きることも。夏場でもエアコンによって身体が冷えてしまうことがあるため注意しましょう。
乳腺炎の予防に過度な食事制限等は必要ありません。食事内容によって乳腺炎を引き起こすことは考えにくいため、十分な栄養を摂るようにしましょう。また、水分摂取も大切。ママが脱水気味になってしまうと母乳がドロドロの状態になってしまうため、こまめにお水を飲むようにしましょう。
また、休息も大切です。赤ちゃんとの生活ではなかなか思うように休めませんが、可能な限り休息時間をとり、ストレスや疲れを溜め込まないようにしたいものです。
赤ちゃんのお世話をしていると、肩や首のこりに悩まされたり、背中の張りを感じることがあります。こりが生じている場合はおっぱい周辺の血流も悪くなっているため、身体をほぐしておきましょう。すきま時間にストレッチやヨガをするのがおすすめです。
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