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妊婦さんたちが「9wの壁」と呼んでいる妊娠9週目。特につわりを強く感じやすい時期であり、また流産することも多い時期でもあるため、妊婦さんは大変不安を感じる頃です。ここでは、そんな妊娠9週目とは何なのか、何故その頃に流産の危険性が高まるのかなどについてまとめています。
妊娠検査薬などで妊娠が判明し、初診で産婦人科で検査をするのが5~7週目頃、そして次に受診するのが9週目頃です。この頃は流産の可能性も大変高い頃でもあり、5~7週目で聞こえていた心音が9週目に聞こえなくなってしまうことが多いことから、「9wの壁」と呼ばれています。
初診の検査の時期や、次の検査がその後2~3週目にあたる9週目であるというのは、日本の医療、また不妊治療や妊活のシステムとして、その時期に行うように推奨しているためです。妊娠12wから23、24週頃までは4週間に1回の頻度での検診が推奨されていますが、妊娠判定されてから11週頃までは2週間に1回とされているのです。
そこで、不妊治療を妊娠9週で卒業、というのは、妊娠5週目頃に超音波検査で胎嚢の確認、7週目頃で赤ちゃんの心拍を確認し、9週目で再び赤ちゃんの姿を確認するのですが、ここで赤ちゃんが確認出来れば、9週目の流産しやすい時期を超えた、ということで、不妊治療は卒業となるクリニックが多いということです。卒業できるかどうかの壁、という意味合いもあるのですね。
つわりは、妊娠を継続させるためのhCGというホルモンが大量に分泌され、ホルモンバランスが崩れるだけでなく、妊娠によって変化していく体にうまく適応できないために起こると考えられています。5週目頃から始まり、吐き気や胃酸の増加、低血糖、寝ても寝足りない、特定のにおいに不快感を伴うようになるなど、個人差はありますが様々な症状があり、多くの人がこの9週目がピークだと感じています。
受精から着床までの1週間では3割程度、その後の心拍が確認できるまでの間にも3割程度流産していると言われ、ここまでの流産は化学流産と呼ばれます。
赤ちゃんはお腹の中で成長し、だんだんと人間の形になっていきます。大切な臓器や器官ができる器官形成期は妊娠4~7週頃と言われていますが、人間の場合、この期間までに約7割以上が流産していると言われています。原因は染色体の異常や薬や放射線、感染症などにより、器官形成の障害となって発育が止まってしてしまうからです。
9週目に流産してしまう場合も、染色体異常によるものが半数以上です。同様に器官が作れなくなり、奇形や染色体の異常がある赤ちゃんの多くが子宮内で亡くなって、自然淘汰されています。
この9週目の流産を含め、妊娠が確認されたのち、出血や腹痛を伴わず心拍が停止すると稽留(けいりゅう)流産、胎嚢が確認されたのち12週未満の流産は早期流産と呼びます。
流産は悲しく大変残念なことですが、このような早期の流産は妊婦さんの行動が起因するものではありません。自分を責めず、また気に病まないようにしてください。
参照元:まなべび_妊娠9週の壁とは?【産科医】流産の割合と赤ちゃんの心拍停止の原因(https://manababy.jp/lecture/view/142/)妊娠9週目の流産の確率はどれくらいなのでしょうか。日本産婦人科学科の調べによると、妊娠9週目が含まれる妊娠8~12週の流産の確率は、34~48%とされています。一般的な流産の確率は15%とされているので、やはりその確率が高い時期と言えるでしょう。
その他の時期と比べると、次いで高いのは5~7週で22~44%、13~16週は6~9%という結果がでています。
参照元:東京・ミネルバクリニック_妊妊娠9週の壁を乗り越えるには|魔の9週・流産確率を解説(https://minerva-clinic.or.jp/pregnancy-calendar/9wks/)もし、この妊娠9週目で赤ちゃんの心拍が聞こえなくなってしまったら、どのような行動をとればいいのでしょうか。
9週目の流産、すなわち稽留流産の場合の対応方法は、自然に排出されるのを待つか、手術で除去するかの2つです。母体の体調や希望によって決定することができます。
待機療法といいます。いつ排出されるかわからないことや、きれいに排出しきれずに出血が続いてしまうこともありますが、手術と比較すると母体に負担がかかりません。ただし、流産と診断されて2週間以上排出がなされない場合は、手術となる可能性もあります。
手術は、確実に胎嚢を取り出すことができ、また忙しい人も予定を組みやすい方法でもあります。
また、出産と同様ですが、子宮筋腫や内膜症など、子宮の状態になにか懸念がある場合には、待機療法を望んでも手術を提案されることもあります。
妊娠9週目は赤ちゃんの形成や状態が不安定であり、9週を超えるまでは不安が絶えないでしょう。しかしながら、もし流産となってしまったとしても、先にも述べた通り、ほとんどの場合は妊婦さんの行動や生活が起因しているわけではありません。防止策もないものです。
もしそうなってしまったら、受け入れることに時間がかかるのは当たり前です。ご自身を責めず、心や体を労わって、1日でも早く立ち直れますように、できるかぎりのケアをしていきましょう。
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