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出産時の会陰切開や会陰裂傷は、これから出産を迎える方の多くが気になることでしょう。
会陰切開のリスクを低減するために、会陰マッサージがよいといわれています。
ここからは、会陰マッサージのメリット・デメリットと、会陰マッサージを行う際の注意点を解説します。
会陰マッサージとは、会陰裂傷や会陰切開のリスクを低減するために、会陰の伸びをよくするマッサージです。
赤ちゃんが腟口を通って出てくるときに、会陰部には負荷がかかります。会陰の伸びがよくないと、負荷によって会陰を切開したり、切れてしまったりする可能性があるのです。それを予防するために、会陰マッサージを行います。
会陰とは、肛門と腟の間の部分のことを言います。会陰は約5倍ほどまで伸びるといわれていますが、赤ちゃんが大きいと会陰が裂けてしまったり、切開が必要になってくるのです。
会陰マッサージをするのは、会陰の伸びをよくするためです。
会陰マッサージは、会陰の伸びをよくする目的で行われます。会陰の伸びがよくないと、赤ちゃんが生まれるときに会陰が避けてしまうことがあります。会陰が避けることを会陰裂傷といい、会陰が裂けないように切ることを、会陰切開といいます。
会陰裂傷は傷が浅ければ治りも早く大きな問題ではありません。しかし、重度の会陰裂傷になってしまうと、縫合が難しく腫れてしまったり、治りが悪く痛みが続くことがあります。
この会陰裂傷や会陰切開を行わずに済むように、会陰マッサージを行います。
会陰マッサージには、お産をスムーズにして会陰裂傷・会陰切開を予防するメリットがあります。
会陰マッサージによって会陰の伸びがよくなれば、赤ちゃんの頭も通りやすくなるため、母体や赤ちゃんの負担も軽減できるでしょう。会陰を切らずに出産できると、産後のダメージが少なく、痛みや負担を大きく軽減できます。
なるべく負担なくスムーズにお産をするためには、会陰の伸びが大切になってくるのです。
母体や赤ちゃんへのメリットが多い会陰マッサージですが、会陰マッサージにはデメリットもあります。
会陰マッサージは手を使って腟に直接行うため、腟口や腟内を傷つけてしまう恐れがあります。細菌が侵入する可能性も少なからずあるでしょう。また、人によっては痛みを伴う場合もあります。
会陰マッサージを行ったからといって、絶対に会陰裂傷・会陰切開が起きないわけではありません。すべての人が会陰の伸びがよくなるわけではないため、会陰マッサージの効果を得られないこともあります。
体質的に会陰が伸びやすい人は、マッサージをしなくても会陰裂傷・会陰切開が起きないこともあります。
会陰マッサージには、始めるタイミングがあります。腟を指で広げて行う会陰マッサージの場合、臨月になってからすすめられるケースが多いようです。会陰マッサージの種類によっては、28週ごろから始められることもあります。
会陰マッサージは、出産までに1度や2度行うだけでは効果が期待できません。毎日の積み重ねが大切なので、臨月に入ったら週に2回ほど行いましょう。
初めは週に一回程度から始めてみるとよいでしょう。強すぎる刺激は避け、徐々に柔らかな皮膚を作っていきます。
会陰マッサージを行う時期は、病院によっても指導時期が異なります。妊娠の経過や体調はひとりひとり異なるため、自己判断で会陰マッサージを始めるのではなく、かかりつけの医師に相談してからにしましょう。
会陰マッサージのやりかたはいくつかありますが、ここでは、一般的な会陰マッサージのやり方を解説します。
会陰マッサージの回数は、週に1~2回程度です。1回のマッサージの時間は、5~10分程度といわれています。
会陰マッサージは継続して行うことで、より高い効果を得ることができます。出産までは定期的にマッサージを行いましょう。
妊娠中に会陰マッサージを行うことに、不安を感じる方も多いでしょう。会陰マッサージを始める前には医師に相談し、無理のない範囲で続けるとよいでしょう。
会陰マッサージを行うときは、お風呂上りなど皮膚が柔らかい時に行いましょう。会陰部に手が届かないときは、無理にマッサージをしないことも大切です。姿勢はしゃがんだり、いすなどに片足をかけて行うとやりやすいです。おなかも大きくなりしゃがんだりするのも大変な時期なので、無理のない体勢で行ってください。
会陰マッサージの効果を得るには、続けることが大切です。ただし、人によっては会陰マッサージが負担に感じることもあるので、無理のない範囲で続けてください。体調がよくないときや、切迫早産などで安静にするように指示されているときは、会陰マッサージを行わないようにしましょう。
会陰マッサージをするときに、注意するポイントを紹介します。マッサージを行う際は、無理をしないように気を付けてください。
腟に指を入れてマッサージを行うため、爪が長いと腟内や腟口を傷つけてしまいます。腟に傷ができると出血したり細菌による感染症を起こしてしまう恐れもあるため、爪は短くしておきましょう。
また、細菌の侵入を防ぐためにも、清潔な手で行うのもポイントです。細菌が侵入すると赤ちゃんにも影響する可能性があるので、清潔な手でマッサージを行ってください。
会陰マッサージに使用するオイルは、植物性のものがおすすめです。オリーブオイルやスイートアーモンドオイルなどの植物性のオイルは刺激が少ないといわれており、腟内に使用するには適しています。
しかし、妊娠中の肌は敏感になっており、普段は植物性オイルに問題ない人でも、妊娠中は肌に刺激を与えてしまうことがあります。
オイルを使用する際は腕などでパッチテストを行い、かゆみや痛み、赤みが出ないかを確認しておきましょう。オイルは必ず使用しなければならないわけではないので、水などの水分でマッサージをすることもできます。
おなかが大きくなると、会陰マッサージをしようと思っても手が届かなかったり、マッサージの姿勢が苦しいこともあります。
会陰マッサージによって、気分が悪くなったりおなかが張ったりすることもあるでしょう。
気分が悪くなったり体調がよくないときには、無理にマッサージを行う必要はありません。無理のない範囲で会陰マッサージを行いましょう。
会陰マッサージを開始する時期は、早ければよいわけではありません。一般的には34週ごろからといわれていますが、妊娠中の体調はひとそれぞれです。切迫早産などで安静にするように指示されているときには、マッサージは行わないようにしましょう。無理にマッサージを行うと、母体や赤ちゃんにも影響があるかもしれません。
マッサージを始めるタイミングには個人差があるため、自己判断は危険です。マッサージを始める時期は、医師や助産師に相談しましょう。
会陰裂傷・会陰切開を予防するためのセルフケアとして、会陰マッサージが効果的と考えられています。しかし、会陰マッサージを始める時期には個人差があるため、医師や助産師に相談のうえで行うことが大切です。
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