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妊娠中は栄養を取ることが大切なのは、皆さんおわかりだと思います。しかし、どのような栄養素が必要なのか、そしてどのような理由で必要なのかはあまり知られていないかもしれません。ここでは代表的なものをご紹介していきましょう。
タンパク質の働きは、筋肉や血液などをつくることにあります。人間を構成するものはタンパク質でできていますから、赤ちゃんの身体をつくる上でも欠かせない栄養素です。もちろん、お母さんが健康な身体を維持していくためにも非常に重要です。タンパク質を多く含む食品は、肉や魚、卵、大豆(豆腐や納豆など加工品も含む)、乳製品(チーズ類や脱脂粉乳など)など、比較的摂取しやすいものです。
葉酸という栄養素はあまり聞いたことがないかもしれませんが、非常に重要な役割を持っています。細胞を増殖させるDNAの合成に必要な栄養素となります。妊娠初期は細胞分裂が活発に行われ、心臓や神経、脳などの重要な器官が作られる大切な時期です。この時期に葉酸が不足すると、赤ちゃんの神経や脊髄に疾患が発生するリスクが高まるとも言われています。葉酸が多く含まれるのは納豆や海苔、モロヘイヤなどです。もしも葉酸を摂る機会が少ないなら、サプリメントを利用するのも1つの方法として良いでしょう。ただ、サプリを利用する場合は、医師とよく相談して使用しましょう。
ミネラルとは、栄養素のなかで無機物の総称です。日本では13種類のミネラルが食事摂取基準として厚生労働省で定められています。妊娠中に特に摂りたいものは鉄分やカルシウム。赤ちゃんの身体をつくるのに大きく関与します。多く含まれる食品は、牛乳や乳製品、レバー、小松菜などです(※)。
女性の場合、便秘に悩まされている方も多いでしょう。普段その傾向が無い方も、妊娠するとホルモンバランスの変化などで便秘症になる方もいます。そのようなときに多く摂りたいのが食物繊維です。腸の中の老廃物を体外に排出してくれる食物繊維は水分と一緒に体内にとり入れることで、妊娠時の便秘予防となります。多く含まれる食品は、海藻類、いも類、豆類などです。
妊娠中はバランス良く、多くの品数の食品を食べるのが基本です。そのなかでも特に積極的に食べたほうが良いものをご紹介しましょう。
ブロッコリーやモロヘイヤにはすでにご紹介した葉酸という栄養素が豊富に含まれています。そのほかにもビタミンC、ビタミンK、カリウムなどのミネラル分も豊富です。特にモロヘイヤはエジプト原産で「王様の野菜」と言われているほど、ビタミン類、カルシウムなど多くの栄養素を摂ることができます。炒め物やサラダにするのも良いですが、スープにすると栄養素を丸ごと摂ることができるでしょう。
あさりやしじみなどの貝類も積極的に摂りたい食品です。妊娠中は赤ちゃんに栄養を分けてあげているので、お母さんは貧血気味になることもあります。それを補ってくれるのが鉄分を多く含む、あさりやしじみなどの貝類なのです。こちらも汁物にするといいでしょう。
ヨーグルトに多く含まれる栄養素は、カルシウムです。これは赤ちゃんの骨や歯をつくるために必要なものです。また、身体の基本、タンパク質も豊富です。ヨーグルトに特徴的なのが乳酸菌で、これは腸内環境を整えてくれるため、便秘の改善や免疫力の向上が期待できます。ヨーグルトの働きを助けるために、オリゴ糖を加えるとなお良いでしょう。
小魚は、骨ごと食べることが基本ですから、良質なカルシウムが摂取できます。ただ、小骨には気をつける必要がありますから、よく噛んで食べてください。
豆腐や納豆に代表される大豆製品は、良質なたんぱく質やカルシウムを摂ることができます。 豆腐は調理法もたくさんありますし、工夫次第で毎日食べられますね。納豆もとても手軽に食べられる食材ですから、ぜひ、毎日食べてください。
ここまでは、妊娠中に摂取することがおすすめの食品を紹介してきましたが、逆に妊娠中に摂るのはNGな食品もあります。
魚や肉、卵などはタンパク質が豊富でビタミン類やミネラル類も豊富なおすすめの食品です。しかし、必ず十分な加熱をしてください。妊娠中はお母さんの免疫力が低下しています。生肉、生魚にいる寄生虫や卵に付着していることのあるサルモネラ菌など、普通では大丈夫な感染症も妊娠中はかかってしまうことがあります。くれぐれも生食は控えてください。
妊娠時のアルコールの摂取は、赤ちゃんの精神発達を阻害する「胎児性アルコール症候群」のリスクや流産を誘発することがあります。また、コーヒーなどのカフェイン飲料も流産や早産のリスクを高めるといわれています。
ビタミンAは、妊娠中も必要な栄養素ですが、妊娠3ヶ月までに過剰摂取することで赤ちゃんの耳の形態異常が増えることがわかっています。ただし、食品に含まれるのは微量ですから通常の食事では不足することも過剰になることもまず無いでしょう。ビタミンAが多く含まれる食品は鮎やうなぎなどの動物性食品に多いです(※)。
加工食品とは、ハム・ソーセージ、カップラーメンなどです。手軽な食事でたまには良いのですが、塩分が高いので、血圧に影響が出ることがあります。週に2回から3回程度にしておきましょう。もしも妊娠中につわりがひどくて食事が作れず、ついつい加工食品に手が伸びてしまう…。と言う人は、宅食サービスなどを利用してみるのもいいでしょう。
海藻類は、食物繊維やミネラル類が豊富に含まれているので、摂取したい食品ですが多く食べるとヨウ素を過剰摂取して赤ちゃんの甲状腺機能が低下すると言われています。ヨウ素は特に昆布やひじきに多く含まれていて、注意が必要です。毎日摂ることは控えたほうが良いでしょう(※)。
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