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妊娠中のトラブルのひとつが「切迫早産」です。切迫早産と早産には、どのような違いがあるのでしょうか。
このページでは、切迫早産と早産の違いについて詳しく解説しています。
まだ早い週数で赤ちゃんが生まれることを早産といいますが、切迫早産はその手前の状態を意味します。
切迫早産は子宮の収縮によるおなかの張りや痛みが頻繁に起こり、子宮口が開いてしまった状態です。子宮口が開いているため、赤ちゃんが出てきそうな状態になります。
切迫早産になると破水してしまうこともあり、陣痛が始まってしまうこともあります。
切迫早産と診断された場合には、赤ちゃんが早く生まれてしまわないように、適切な処置をする必要があるのです。
切迫早産と診断された場合、まずは安静にすることです。そのうえで、状況に応じて張り止めなどの投薬治療が行われます。細菌による感染が疑われる場合は、抗菌薬を使用するケースもあります。
切迫早産の症状が軽度である場合、通院で治療を受ける場合もありますが、症状がよくない場合には、入院治療を受けるケースもあります。入院治療では、安静にしながら子宮収縮を抑えるはり止めなどで処置を行います。
妊娠34週より前に破水してしまった場合は、投薬治療を行うのが一般的です。しかし、妊娠34週以降になると赤ちゃんは呼吸できる可能性が高く、出産してから治療を行うケースもあります。
また、子宮頸管無力症で子宮口が開きやすい場合は、頸管をしばる子宮頸管縫縮術を行うこともあります。
切迫早産の症状が重い時には、NICUなどの設備が整った病院へ搬送される可能性もあります。切迫早産は、症状によって適した処置が行われるのです。
早産とは、正期産よりも前に赤ちゃんが生まれてしまうことを言います。日本では、妊娠22週0日から36週6日までに出産することを、早産といいます。22週未満での出産は、流産です。
早産はすべての妊娠のうち5%ほど起こるといわれており、少なくはありません。早産には、早くに陣痛が来て出産してしまう自然早産と、赤ちゃんが子宮内で生きていられなくなり人工的に出産させる、人工早産とがあります。
早産の理由はさまざまです。主な原因としては、細菌による感染や子宮頸管無力症、子宮の異常、前置胎盤や妊娠高血圧症候群などが挙げられます。
また、母体の問題だけでなく、赤ちゃんの染色体異常や先天性感染症なども、早産の原因になると考えられています。
早産にならないためには、妊娠中の健診は必ず受けることです。切迫早産と診断された場合には、適切な処置を受ける必要があります。
早産によって赤ちゃんが早く生まれてしまうと、週数によっては赤ちゃんに長期的な障害が残ることもあります。
早産が赤ちゃんが正期産よりも早く生まれてしまう状態であるのに対して、切迫早産は早産の一歩手前の状態を指します。病院で適切な処置を受けなければ、赤ちゃんが生まれてしまいそうな状態です。
早産になると出産した週数や赤ちゃんの状態によって、医療処置が必要になります。そのため、切迫早産と判断された場合には、早産を避けるようにしなければなりません。
切迫早産や早産になってしまう主な原因には「細菌感染」「子宮頸管無力症」「子宮自体の異常」「妊娠高血圧症候群」「前置胎盤」「常位胎盤早期剥離」「胎児機能不全」などが考えられます。
また、双子や三つ子などの多胎妊娠、喫煙、もともとの持病など、原因はさまざまです。切迫早産の原因で多いのが、細菌による感染症といわれています。
切迫早産・早産になる原因は、母体側の問題だけではありません。赤ちゃんに異常があるケースも考えられます。
妊娠中には正しい管理を行い、切迫早産・早産になるリスクをさげることが大切です。何か異常を感じたときは、すぐに医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
切迫早産になったら出る症状の一つが、おなかの張りや痛みです。切迫早産の場合、いつもとは少し違う痛みや張りを規則的に感じるケースがあります。出血が症状として現れることもあるでしょう。
破水の場合は水っぽいおりものが出て、感染症が原因の場合は、悪臭のあるおりものが出ることもあります。
過去の妊娠で早産を経験した人は、次の妊娠でも早産になりやすいといわれています。また、双子や三つ子などの多胎妊娠も、早産になりやすい人の特徴です。
子宮頸がんや異形成などで、円錐切除術を行った方も、早産になりやすいといわれています。
妊娠中には健診を受け、子宮頚管長が短いと診断された場合は、早産になりやすいので注意しなければなりません。
切迫早産にならないためには、妊娠中は無理をしないことです。日ごろから無理のない生活を心がけましょう。
規則的なおなかの張りや痛みを感じたときは、かかりつけの先生に相談してください。妊婦検診はきちんと受診し、先生の指導に従うことが大切です。
切迫早産になってしまった場合、症状に応じて治療が行われます。
治療法の一つが、入院はせずに自宅で安静に過ごす方法です。症状に応じて投薬を行う場合もあります。切迫早産の場合は、早産にならないよう安静にすることが大切です。生活環境を整えて、気持ちをリラックスさせて過ごします。自宅療養する場合でも医師の指示に従い、安静を保ちましょう。
仕事をしている場合、切迫早産の症状によっては休職を余儀なくされるケースもあります。仕事内容や休憩について配慮が必要な場合は、医師に相談して「母性健康管理指導事項連絡カード」をもらいましょう。
自宅で安静にする生活をしていると、便秘になることがあります。トイレで強くいきむ行為も子宮収縮を起こすことがあるため、妊娠中でも使える便秘の薬を処方してもらい、コントロールしましょう。
切迫早産と早産の違いと対策方法について解説しました。
切迫早産になってしまった場合は、早産にならないように注意深く過ごさなければなりません。切迫早産の原因はさまざまあり、原因や症状に応じて、適切な処置を受けることが大切です。
切迫早産と診断された場合は、医師の指示に従い、できるだけ安静に過ごしましょう。
多胎妊娠や以前の妊娠で早産だった人など、切迫早産・早産のリスクがあると考えられる人は、無理をせずに健康な生活を心がけることが大切です。
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