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強い抗酸化作用などで不妊症治療の成績向上が期待される物質メラトニン。メラトニンを含んだサプリメントも出てきており、良い卵子や精子をつくるために、毎日の生活にサプリメントを取り入れているカップルも増えています。
メラトニンは、人の体内で作られ分泌されるホルモンで、体内時計に働きかけ覚醒と睡眠を切り替え、眠りを誘う作用があることから睡眠ホルモンと呼ばれることもあります。
メラトニンの分泌は光によって調節されています。朝、日光を浴びることで、脳にある体内時計がリセットされて活動状態に導き、メラトニンの分泌が止まります。その後、メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令で再び分泌され、徐々にメラトニンの分泌が高まることで身体の深部体温が低下して、眠気を感じるようになります。
しかし、夜中に強い照明の中にいると体内時計の働きが乱れ、メラトニンの分泌が抑えられます。これが睡眠覚醒リズムが乱れる原因になります。
朝スッキリ起きられない、夜なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚めるといった不眠は、メラトニンが不足して体内時計が狂っている可能性があるといわれています。
このメラトニンは、眠りを誘うほかに抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれるために、病気の予防や老化防止に効果を持つと考えられており、注目されているホルモンのひとつです。
そして、メラトニンの持つ強力な抗酸化作用により生殖細胞が保護され、さらにホルモンバランスも改善されるため、メラトニンのサプリが不妊症の治療に取り入れられるようになりました。
メラトニンは、加齢とともに分泌量が減ることが明らかになっています。年をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減ってくるのは、加齢によりメラトニンが減少し体内時計の調節機能が弱まっているためだと考えられています。
また、メラトニンにはストレスを軽減させる抗酸化作用があるといわれていますが、排卵のさいの卵子の酸化ストレスもメラトニンを補充することで卵子を守ることができると言われています。
卵巣内で卵子が発育したり、精巣内で精子が形成されるためには2~3カ月かかります。そのため、妊娠のための方法をサポートするものの1つとして、メラトニンを含むサプリメントを飲む場合は長期的に摂った方が良いでしょう。
日本の研究では、メラトニンのサプリメントを摂取することで卵胞液中のメラトニン濃度が上昇し、酸化ストレスが低減し、受精率や妊娠率が向上することが確かめられていたそうです。
しかし、卵胞液中のメラトニン濃度と卵巣機能との関係を調べた最近の研究では、メラトニンが正常な生殖機能に深く関与していることがわかってきたそうです。
こうしたことからも、規則正しい生活や起床後に朝日を浴びること、昼間の屋外での活動、夜はスマホなどの灯りを除外して暗くするといったことも、妊娠のサポートにつながることを教えてくれています。
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