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1人目のご出産が帝王切開だった方の中には、「2人目は自然分娩で産んでみたい」という想いを抱かれる方がいるかもしれません。帝王切開後の経腟分娩は「VBAC(ブイバック)」と呼ばれ、条件を満たせば挑戦することが可能です。
この記事では、後悔のない選択をするために知っておきたい、VBAC(TOLAC)の基礎知識とメリット・リスクについて解説します。
一般的には「VBAC」という言葉がよく知られていますが、医療現場では「TOLAC(トーラック)」と区別して呼ばれることが増えています。
つまり、TOLACに挑戦し、経腟分娩で産まれた結果がVBACとなります。赤ちゃんの安全を最優先するため、TOLACを開始しても、途中でお産が進まない場合などは帝王切開に切り替えるケースもあります。
帝王切開ではなく、あえて経腟分娩(TOLAC)を選択することには、生活面や将来の家族計画においてメリットがあります。
経腟分娩は、個人差はありますが帝王切開に比べて産後の回復が早く、入院期間が短いのが特徴です。退院後早期に日常生活に戻りやすい点は、待っている上のお子さんのお世話や、早期の育児復帰を望む方にとっては大きな利点となります。
もし3人目以上のお子さんを希望されている場合、今回経腟分娩ができると、次回以降の妊娠で「癒着胎盤」や「胎盤の位置異常(前置胎盤など)」といった手術による合併症リスクを軽減できる可能性があります。
TOLACはすべての方ができるわけではなく、母子の安全を守るための適応条件があります。
注意すべき点は、前回の帝王切開による子宮の傷への影響です。陣痛の強い圧力によって、稀ですが傷が開いてしまう「子宮破裂」というリスクがあります。発生頻度は0.2~0.7%(※)といわれていますが、母子ともに危険な状態になるため、慎重な管理が必要です。
(※)参考元:日本産婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン-産科編2023」【PDF】(https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2023.pdf)
一般的に、以下の条件を満たす場合にTOLACが検討されます。
※最終的な可否は、妊娠経過や胎児の大きさを踏まえて医師が判断します。
TOLACでのお産は、通常の自然分娩とは異なり、厳重な安全管理のもとで行われる「特別な経腟分娩」となります。
子宮破裂などの兆候を早期に発見するため、分娩中は「分娩監視装置(モニター)」を常時装着し、赤ちゃんの心拍とママの陣痛の状態を絶え間なくチェックします。また、子宮への負担を避けるため、原則として陣痛促進剤は使用せず、自然な陣痛を待ちます。
万が一、赤ちゃんの心拍が下がったり、お産が停滞したりした場合は、速やかに帝王切開へ切り替えます。あらかじめ点滴ルートを確保し、いつでも手術ができる準備を整えてお産に臨みます。これは失敗ではなく、母子の命を守るための「勇気ある選択」です。
VBAC(TOLAC)は、ご自身の「産みたい」という気持ちと、医学的な「安全性」の両立が必要です。リスクがゼロのお産はありませんが、納得できるまで医師と話し合い、ご家族とも相談を重ねましょう。経腟分娩でも帝王切開でも、赤ちゃんが無事に産まれることが何より大切ですので、不安な点は健診時に遠慮なくご相談ください。
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